2016年6月30日木曜日

しせんゆうどう

こんにちは

何かの記事で視線誘導について書かれていたのを読んだので
ちょっと語ってみようかと(笑)

日本の漫画は通常ページの右上から左下に向かって進むという
お約束があって、文字をいれるフキダシなんかは、この約束事を前提に
配置すると流れるように読めて、非常に読みやすい。


また、本になった場合、左右2ページで見開くから、見開きでの視線の流れを
考慮してコマを割ると読みやすくわかりやすい作品になるってのは
漫画の描き方の基本として広く知られています。

最近のネット漫画では、ページ単位で表示するのではなく、コマ単位で並べて
表示するものもあり、せっかく視線誘導まで考慮されていても分解して
台無しになってる場合がある。でも今回はその話ではないです。

このように、頭では理解しててもなかなか視線誘導までできないもんですが、
うまくハマったときは結構嬉しいモンです(笑)

「静寂の人」より
たとえばこのページ↑
モノローグの配置とキャラクターの顔の向きで視線を誘導しているんですが
わかりますかね?
車の進行方向が右から左に行くことで目的地に向かうという流れを示し、
2コマめのキャラの視線を追いながら次のモノローグに移動してます。
さらにその下に斧を振り上げるキャラがいて、4コマ目で薪が割れることで
「動き」を表し、5コマめで詳細なキャラの状況を説明しています。

視線誘導がうまく扱えれば、動きや時間の流れなどを操れるのです。

少女漫画のようにコマから人物がはみ出てたとしても、
視線誘導ができていれば流れを妨げることはありません。
読みやすいと感じる漫画は、こういう視線誘導をうまく扱っていると思うので
注意して見てみると面白いですよ。

また、漫画の視線誘導を挿絵にも応用することが出来ます。

G-men掲載「暁けない夜明け(小玉オサム先生著)」より
↑この挿絵は、まず右上のキャラクターの顔からスタートして
①→②→③ときて、最後左下のキャラクターの顔に視線が流れるように
考えました。3つのシーンをひとつにまとめる際に時系列が乱れないように
した例です。

G-men掲載「暁けない夜明け(小玉オサム先生著)」より
 ↑この挿絵も同じように右上のキャラクターの顔からスタートし、
キャラクターたちの視線を追っていき、最終的に札束のところまで誘導し、
不穏な印象が出るように考えています。

まぁ、偉そうに語ってますが、読者が意図したとおりにみているか
感じているかわからないので、ただの自己満足かもしれませんが

視線誘導を意識した漫画や挿絵が増えればいいなぁと思った次第です。

あくまで個人の見解ですが、参考になれば嬉しいです。

2016年6月13日月曜日

あおいうみ

こんにちは~

先日、noteというサイトに過去の漫画をアップしてみました。
「青い海の向こう側」という一般向け漫画です。 

この漫画は、じつは20年前に某誌に掲載された漫画でして
当時構想していた長い長いお話の数年前という設定の読切りです。
この頃は基本的にページ数などの制限(31ページ以内等)があったのですが
思いっきり自由に描いて、怒られたらごめんなさいって謝ればいいやって
いう想いで46ページ描きました。

当時は鯨が好きでホエール・ウォッチングなんかをしていて、
その時の憧れの気持ちを漫画にぶつけました(笑)
架空の島、南屋敷島で生まれた青年大和(やまと)と、島に訪れた写真家・岩倉と
その助手・杏子の物語です。
一本の短編映画を観たような感じにしたいと考え、しっかりと構成したつもりですが
主人公である大和が脇役っぽくなっちゃったのが惜しまれます。

大和は特殊な能力があるんですが、その片鱗がこのお話にも現れます。
長編のための設定なので、あまり派手には見せないようにしたんですが
そこらへんが当時ウケが悪かった理由かもしれません(^^;)
自分的には今読んでも好きな展開なんだけどなぁ~

コスチュームの設定なんかもしっかりやってて、結構気合入ってたようです。




今は結構いい加減な設定のまま描いてるので、もう一度当時の気持ちになって
ちゃんと描かなくちゃなぁと思いました。

noteではページ数の都合で前編・後編に分けました。
後編は有料ですが、最後まで読んで貰えると嬉しいです。
よろしくお願いします。